「皇室日記」でナイチンゲール紀章授賞式に皇后陛下が出席するのは今年で最後と言われていますが、じゃあ、来年からは雅子妃が出るんですか?
「やすらぎの郷」を見ていて、八千草さんが演じている姫の戦争時代の思い出を「戦後生まれ」の記者がいかに国策に準ぜよと押し付けられたかという話にしようとして、姫が語るのをためてしまったシーンを見て、本当にそうだと思いました。
「リアルに戦前を体験している人の戦争体験」と戦後教育を受けている人の戦争体験では全然視点が違うのです。
「戦前の生活はよかった」と書いただけで「ふぶきさん、あなた、戦前を肯定するの?」とおっしゃった公務員の方がいたけれど、当時、リアルに生きている人にとっての戦前の生活を全否定してはいけないのではありませんか。
また・・・わからないかもしれないけど「引揚者」と「在日」は違うんですよ。
戦前は満州も台湾も韓国も日本の領土で、そちらに渡った日本人はかなり羽振りのよい暮らしぶりだったのです。うちの母のように西南戦争で負け組が多数渡ったと思われる台湾の台中市。
母の教え子たちから母を攻める言葉が一つもありませんでした。
「僕達は先生に教えて頂いたから今の職業につく事が出来ました」と教え子の中国人達がそういって泣いていたのを思い出します。
引き揚げ者の生活は決して楽ではありませんでした。母は宮城出身の父と結婚していたから帰る場所があったけれど、故郷を無くした人も多かったし
でも大正生まれの両親からは一度も軍国主義のひどさを聞いた事はないのです。
いつもいつでも「台湾に帰りたい」が口癖でした。日本人であっても生まれて30年も過ごした土地が本当のふるさとだったでしょう。
一度くらい一緒に行ってあげたらよかった・・・と思います。
8月になって、夢の中で様々な人生ドラマを見るようになりました。全部ストーリーを覚えていたら純文学小説になりそうなものばかり。
一体だれが私にそんなストーリーを見せているんだろうなあと思う事があります。
さて。デンマークからこんな話が。
8月3日、デンマークのヘンリク殿下(83)は妻であるマルグレーテ女王と同等に扱われたことがなく不満だったとして、妻の隣に埋葬されることを望まないとの考えを明らかにした。
ヘンリク殿下は1967年に女王と結婚し、女王の配偶者である「王配殿下」の称号を与えられたが、「陛下」の称号がほしかったと繰り返し発言している。
王室の広報担当者はタブロイド紙に対し「殿下が長年にわたり、ご自分の役割と称号に不満だったのは周知のことであり、近年、その不満が一段と強まっていた」と述べた。
ヘンリク殿下は昨年引退して称号を返上。以来公務にはほとんど出席せず、大半の時間をフランスで個人所有するブドウ園で過ごしている。ただ、女王とはまだ婚姻関係にあり、公式には同居している。
ソルボンヌ大卒の才媛。おしゃれな女王陛下。
ヘンリク殿下と一緒に。
ヘンリク殿下の出自
・本名:アンリ・マリ・ジャン・アンドレ・ド・ラボルド・ド・モンペザ
アンリのスペル(Henri)をデンマーク風に言うと「ヘンリク」となり、結婚によって「ヘンリク殿下」の称号になった。
・1647年創設のフランスの伯爵家。
・小さい頃からベトナムで過ごし、本人も外交官出身。
かつてマリア・テレジアがロートリンゲンと結婚したゆえに、ハプスブルク・ロートリンゲンとなりました。
デンマークの場合、モンペザ伯爵家は王室の儀礼的称号となったようです。
フレデリク王太子とヨアキム殿下には別称としてモンペザ伯爵の称号が与えられているのでしょうか。
これと似たような出来事が大昔にありまして。
それはエリザベス女王の王配殿下のエジンバラ公フィリップ殿下。
彼はギリシャ王室の出ではありましたが、母親がドイツの王室出だったのでイギリスからは嫌われていて、結婚した時も「コンソート」(王と同等の王配)になれず、実家の「マウントバッテン」も名乗れず、交渉に交渉を重ねてチャールズ皇太子以下4人の子供達にのみ「マウントバッテン・ウインザー」を名乗らせる事が出来たのでした。
フィリップもヘンリクも、そしてスウェーデンのダニエルも「殿下」で、「陛下」にはなりません。
そこらへん、ヨーロッパでは矛盾を感じないんでしょうか?
日本が男系男子しか天皇になれない事を男女差別だなんだというなら、女王の夫が陛下でなく殿下と呼ばれる事も差別の一つといえなくはないですよね。
マリア・テレジアの夫のフランツは名目上「フランツ一世」陛下でしたっけ。
神聖ローマ帝国の皇帝は男子しかなれないから婿殿をして「陛下」にした。
ヴィクトリア女王の夫、アルバート公が「プリンス・コンソート」になれたのは結婚後17年後。彼ですらこんな感じですもんね。
女王の夫というのは常に「君は光僕は影」のアンドレのようでなければいけないんですわ。日本で女帝を認めろーー女帝の夫も陛下にしろーとかいうおバカな意見もあるようですが、女王陛下の夫はどこまでも1歩下がらないといけません。
そういう意味では「后」の方が強いですわね。
ヘンリク殿下のご不満はごもっとも。
男としてのプライドを著しく傷つけられた数十年だったのかもしれません。