宝塚の話の前に・・・
えーー 結婚が内定したばかりなのにもうアメリカで生活するって?
女性週刊誌とはいえ、なんでそんな事書くのか?
政府を利用して海外就職・・・? 唖然茫然。
土曜日に見てまいりました。
すごく面白かったです 真ん中に立つべき人が立って、それを盛り上げる曲があり、ダンスがあり、笑いあり、ハッピーエンドあり。
でもどこかで見た事あるような?
あーーー「スカーレット・ピンパーネル」そっくりだ
って事で感想終わりっ
あ、そっか。どんな所が似ているかという話ですね。
今や「世界の小池」になっちゃった人にあれこれ言うのはよくない事なんでしょうけど、小池修一郎と言う人は決してオリジナルの作品がいいわけじゃないんです。
っていうか書けない人?だったと思います。
けれど「エリザベート」以降、様々な外国のミュージカルを潤色した事で「手法」を身に着けたんですね。
そりゃそうですよね。ウイーンだろうがフレンチだろうがブロードウエイだろうが、何でも宝塚風にアレンジする事が出来る稀有な人ですから、オリジナル作品においても、その手法を使っただけにすぎないわけ。
彼は上田久美子さんや荻田浩一などとは真逆の人で、宝塚歌劇やミュージカルを「娯楽」と割り切ったんですよね。
ストーリーは多少の矛盾があってもわかりやすくおおざっぱに、そしてその単純な柱を音楽やダンス、そして場面転換で彩り対策に見せる・・・という方法です。
「ALL FOR ONE」は非常に単純なストーリーです。
絵に描いたような二枚目で個性のないダルタニアンと男装したお姫様との恋。
敵は王宮内で権勢を誇るマザラン一家。
秘密・恋・敵対・脇役の大仰な個性・・・これをくっつけてまぶして混ぜ合わせたもの。
それがこの作品なんです。
「スカピン」だってはっきり言って、ストーリー的にいいとは言えません。
それを力技でねじ伏せて大衆演劇として面白くしている。
その手法をすっかり真似て登場人物だけ変えたのが今回の「ALL FOR ONE」なのです。
本来の主役はダルタニアンではなく、ルイ14世ですよね?
まさにルイ14世を巡るドタバタがなかったら本当に面白くないんです。
そして三銃士の面々なんているだけで意味がない。
男役が主役なら描かれるべき「友情」をすっとばして「恋愛」を描き、それでも真ん中を引き立てる為に三銃士を置きましたって展開です。
他の演出家がこれと同じ脚本で演出しろと言われたらものすごくつまらないだろうと思います。
なんせ矛盾だらけですから~~~
でもまあ、見終わってみると大団円でよかったねーーって思える作品だし、ゴージャスな舞台だし私は好きですね。
一時のうさを忘れるにはちょうどいい。ただ、星組ならもっと面白くなるのにと思いました。
その理由はやっぱりコメディをやる上での「間合い」が違うんですよね。
それぞれ面白いセリフが書き込まれ、アドリブ禁止の小池作品。
そして振り返ってみるとど真ん中のダルタニアンは面白くもなんともない真面目なだけが取り柄の騎士。
そんなキャラをいかに面白く、あまりにも上手なルイ14世と丁々発止のやりとりをするかが魅力なのに。
珠城りょうは、とにかく埋もれます。美弥るりかなどと並ぶと主役に見えないし、愛希れいかと並ぶと完全に婿養子状態。
真面目にしかセリフを言えないから大化けできない。
その分の面白さを請け負った愛希れいか。
本当に間合いがよくて面白いし、綺麗でかわいいです。
美弥るりかのアラミスは名うてのプレイボーイ。でも遠慮が見えるかと
自己アピールを許さない組の雰囲気があるのでしょうか?
宇月颯のアトスは冷静でいい役ですが、面白いとはいえず、暁千星のボルトスは最初から無理だってわかってたって感じ。
(足蹴りはものすごくかっこよかったです)
いてもいなくてもよい役だった沙央くらまのモンパンシェ公爵夫人と組長演じるアンヌが最も面白かったです。
海乃美月のマリア・テレサの間合いもよかったです。
月城かなとのベルナルドは判で押したような悪役 って以上の感想なし。
衣装は三銃士とアンヌ、ベルナルドはオールデニムですが、これにがっかりする人もいるかもしれないなと思いつつ、デニムだって国産品は高いしなあと。
その分、ちゃぴ様の衣装はどれも華やかで綺麗。お花様時代を彷彿とさせます。
デュエットダンスの濃い緑の衣装も素敵だったし。
そうそう、ロケットの振付がいいわあ。ああいうの、好きです。
ただねーー時節柄、ルイ14世とダルタニアンの結婚、これはないわーー
「どんな身分の人とでも結婚できる世界」なんてちゃぴ様はおっしゃっていたけど、いくらなんでも身分違いだし、昨日まで王様だった人が一介の騎士の妻にはなれないよと夢がばっさり切られてしまいました。
大好きな暁千星様
手紙を書くのは恥ずかしいのでここで書きます。
歌もダンスも上手だけどはっきりいって演技が下手すぎます
蓮つかさを見習いなさいっ
なんで演技が上達しないかわかる?星条海斗さんがおっしゃるように本を読んでないからです。社会経験がなくてどんな役も自分にあてはめて考える事がなかなか出来ないではないかと思います。
また、「役を作る」事もまだちゃんと覚えていないような気がします。
ダンスが好きなのはわかる。すごく生き生きしているもの。
でも、男役はまず演技。
立ち姿にムードがないとダメなんです セリフ回しは下手でもムードを感じるか否かで全然違います。
今の月組に目標になるような男役がいない・・・のは残念で、だから、昔の大地真央さんや麻路さきさんのビデオを死ぬほど見て真似して欲しいです。
真似です。真似っ まずはそこから入ろう。
この二人の作品を全部そらで言えるようになってこそいい役者になる筈。
ありちゃんはガタイに恵まれ、声に恵まれ、容姿に恵まれています。
その恵まれている部分に甘えず、不得意な部分を埋めるような努力をして下さい。
大地真央だよっ 麻路さきだよっ それが出来たら久世星佳の間合いだよっ
真矢みきになろうとするなっ 無理だから。
結果的に伝統的な宝塚の芸風を身に着ける事しか出来ないと思うので。
少女漫画が好きだって言ってたけど、今風のものは避け、1970年代の萩尾望都&竹宮恵子で耽美を学び、池田理代子で歴史を学び、木原敏江でミュージカルを学ぶのですっ
さらにいうなら「ガラスの仮面」で演技を学ぶんですっ
という事でありちゃんへの課題図書は
「ポーの一族」
「風と木の詩」
「ベルサイユのばら」(続編・外伝全部)「おにいさまへ・・・」「オルフェウスの窓」
「摩利と新吾」「美しきことつくしてよ」「夢の碑」(全巻)
「ガラスの仮面」の「たけくらべ」から「二人の王女」まで全部。
一回読んだだけじゃダメよ。その世界に埋没する程集中する事
(そんな時間ないのはわかってるけど)
暇さえあれば脚本と上記の漫画を読み、ぐっすり眠っていれば、いつか必ず演技開眼すると私は思っています。
(こんなファンは痛すぎていらないだろうけどさ)