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クラシコ・イタリアーノ

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皆既月食だったんですね。みんな宙を見上げていて・・まさに宙組にふさわしい

土曜日の15;30分の公演をみました。そしてお友達と忘年会で飲みすぎて

さらに腰痛がひどくなって眠れず、真夜中に考えたのは・・・・

「クラシコ・イタリアーノ」を書き直したらどうなるかしら?でした。

 

 脚本について

 「シニョール・ドンファン」から全く成長していない植田景子

どこかでみた作品と思ったら大劇場デビュー作の「シニョール・ドンファン」と

同系列の話だったんですね。

あの時、彼女についてどのような評価をされたかといえば

「女性なのに女性を描けない。娘役嫌いの作家」

「男役至上主義」

で・・・「落陽のパレルモ」の時には「ストーリーの組み立て方が安易」

その流れが「堕天使の涙」から「ハプスブルクの宝剣」にまで来ていると

いう事です。

何だってこの人はこんなに脚本を書くのが下手なのか。多分

・ トップスターの好き嫌いが激しく、好きな人にはとことん自分のイメージを重ねる

・ 最初にイメージありきでストーリーを作るから、テーマは後付け

・ 他の出演者が目に入らない

・ 「男は夢の為に頑張るのが一番素晴らしい姿」だと信じて疑わず、その為には

  女は不必要だと考えている。

この人の「男役」を異常に庇う書き方は姑の「うちの息子が一番」と言いつつ嫁いびりする

姿に似てて、見ている自分が「嫁」になった気になるんです。

男役ファンの多くは「自分が娘役」として投影しながら見るもので、

なのに「あんたなんかいらない。息子さえいればいいのよ」的に扱われているような?

そんな気がします。

植景子自身「女である事が許せない」と思っているのではないかと

似たようなメンタリティファンなら「コムちゃんの堕天使は最高だったよね」

と素晴らしい評価をくれるけど、まともなファンなら「舞風りらに盲目の娼婦の役を

与えるのって可哀想すぎる」になると思うし、今回だって「祐飛くんカッコイイ」の影で

「娘役トップがドジでのろまな亀だけならともかくビジュアルをあそこまでけなされる

ってあまりにも可哀想じゃないか」となるんじゃない?

何度も申し上げますが、自分の信念は信念で持っているのはいいけど、それが

宝塚的かどうかを考えながらストーリーを書き、完結させてください。

「愛の物語」が宝塚のテーマ。基本は男女の愛です。

愛が芽生えず仕事に生きる男性は世の中に沢山いるわけで、そういう現実を

忘れたいから宝塚を見るんだって事にいつになったら気が付くの?

また、さんざん盛り上げておいて「え?この結末」みたいな流れはやめてほしい。

恋愛下手なら正塚先生もそうだし、石田先生もそうだけど、他の出演者をないがしろに

書くという事はないでしょう?

根本的に脚本の書き方を勉強しなおす必要があるのでは?

 

 舞台転換の甘さ

1場の導入部分はいいとして、それからの流れがめちゃくちゃ。

必要のないシーンの羅列と、一々舞台転換するまどろこっこしさ。

「あと何分で終わるかしら」と時計を見たくなる程、まったりとして山場がなく

終わりもいい加減。

テレビスタジオ&工場を分けて考える必要はなく、路上のシーンもいらないでしょう。

そうそう、ミーナが公衆電話で故郷に電話するシーンも要らないと思います。

 

 登場人物の整合性がない

全ての登場人物が「サルバトーレ」を中心に線で繋がっているのですが、もし

サルバトーレがいなくなったら繋がりが一切なくなる冷たさがありました。

特に、サルバトーレと兄弟弟子のマリオの友情がおざなりに描かれ、その師匠の

登場にマリオが出てこないという不可解さ。

紳士服の実業家と映画女優卵の出会いの不自然さ。

その卵女優とテレビ放送作家レニーとの関係性の希薄さ。(っていうか、普通は

職業柄レニーはサルバトーレじゃなくてミーナに興味を持たないと変)

なぜこうなってしまうのか。作家の頭の中には「大空祐飛=サルバトーレ」しか

いないからです。

 

 ふぶきが書き換えたら・・・・?

1場・・・回想シーンで師匠にどやしつけられながら仕事を頑張り、「将来はイタリア一の

     仕立て職人になる」と宣言するサルバトーレとマリオ。

     やがて師匠に別れをつげローマに移る二人は「この店を一流にしよう」と

     友情を確かめ合う。

2場・・・アメリカからふれくされたレニーが登場。「イタリアの紳士服メーカーがアメリカに

    進出?それが何だってんだよ。スーツを着る仕事なんて一部のエリートだけ

    だろ?」スタジオ入りして大道具のミーナと知り合いに。

    サルバトーレに「スーツを着ていない」事を指摘され「そんな金ありません」と

    答えたら即、一着プレゼントされ着替えた自分が別人になり一気にサルバトーレに

    興味を持つ。

3場・・・ナレーション役に抜擢のミーナ。自分に自信がない彼女を慰めるレニー。

    「慰めてどうなる?やる気がない奴は消えていくだけだ」とサルバトーレ。

    悪口をいいつつミーナを庇い続けるサルバトーレにレニーは親近感を覚える。

4場・・・マリオがスタジオに飛び込んできてジャコモ・アジャーニがサルバトーレの

    真似をしていると報告。

    「イタリアの職人の技をミシンで大量生産する事に意味があるのか」

    「アメリカにイタリアのスーツを認めさせるにはこれしかない」

    「技術力が劣ってでもそうしろと?」

    「ミシンを使うから技術力が落ちるわけではない。今のうちに職人を大勢育てて

     いけばいい」

    「ついてけえねえよ。昔は純粋にいい仕事をしようって思ってた。おれはそんな

    あんたが好きだから今日までついてきたのに」

5場・・・サルバトーレは大量生産に必要な人数を得られず、技術的に妥協しない

    姿勢にアメリカ側は硬化、ジャコモ・アジャーニに乗り換える。レニーの制作会社も

    アジャーニに。しかし、レニーは単身残って自主制作をする。ミーナも手伝う。

6場・・・マリオがナポリに帰る。友人が去ったことで自分の信念の意義がわからなく

   なったサルバトーレはあれる。それを必死に励ますミーナ。

    「やる気がない奴は消えるだけって言ったのはあなたよ。もう一度原点に

    戻るべきじゃないかしら?」

7場・・・華やかなジャコモ・アジャーニのファッションショー。アメリカ映画の衣装を

    手がけ、コストを低くして大量生産を叶にしたと大絶賛。そこに現れた

    サルバトーレ。

    「 おめでとう」

    「ありがとうございます。俺はあなたに教わったとおり、必ずイタリアのスーツを

    世界中に認知させてみせますよ」

    「そうだな。それはいい。俺は・・・ナポリに帰るよ」

    「え?」

    「ナポリに帰ってナポリでしか手に入らないものを作る。世界中からナポリに

   買いに来るような・・・そんなのを作る」

8場・・・・ナポリの仕立て屋。は怒鳴り声を上げて職人を指導しているマリオ。

     「おやっさんにそっくりになったな」

     「当たり前だ。職人は腕が命。一日でも手を抜いたら客がはなれるだろ。

     大量生産は出来ない。でもその代わり一生もののスーツを作るんだ。

    壊れたら何度も作り直してでも着たくなるような」

     「そうだ。それこそがクラシコ・イタリアーノなんだ」

9場・・・アメリカでドキュメンタリー映画賞を受賞したレニーとミーナが登場。

   「伝統と現代性の狭間で悩みぬくサルバトーレの姿を写し取る事が出来て

   本当に嬉しいです。初めて彼にあったとき、スーツを一枚プレゼントされました。

   袖を通した途端、僕は懐かしい温かみを感じました。それが忘れられません。

   彼は挫折した人間ではないイタリアそのものです」

   レニーは業界で成功。

   「ミーナ、君はこれからどうするの?」

   「私はナポリに帰る。 あの人の側にいたいのよ」

10場・・・・サルバトーレ、女性用のツイードのスーツを作っている。からかうマリオ。

「女に男みたいなスーツを着せてどうするんだよ」

「これからは女性も社会に進出していくさ。色気も体型も関係ない実力の世界で」

「ふうん・・そんな時代が来ないことを俺は祈るね。女は可愛いのがいいや」

・・・その時、ミーナが登場。

「やっぱり帰ってきちゃった」

「俺の女性用スーツのモデル一号だな」

幕。 

こんなことを真夜中に考えている私ってかなり変な奴だと思いますが。

でも結構いい話になったでしょう?


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