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初心者の為の宝塚講座 13 スター編3

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 雪組 

 汀夏子(東千晃)・・・炎の妖精はトラブルメーカーだった

50期。同期には鳳蘭、朝みち子、但馬久美がいる。1970年、郷ちぐさとダブルトップになり、1972年に単独トップに。

なんせ「ベルばら」しか知らない私ですので全然語る資格はないんですけど、相手役の東千晃とはあまりうまくいかず、東が星に組替え後は麻実れいと男役同士で仲がいいのばっかり・・・って本当なんですか?まるで今のヤンミキ、オサアサ、でもそのずーーっと前にジュンターがあったってこと?

背がひときわ低いってことといつも髪が赤いという印象しかなく、でもOGになってから、宝塚の舞台に戻って来ると人一倍一生懸命やってるって感じで、だから炎の妖精と言われるのかなと思いました。

「ベルばら4強」の一人であり、「星影の人」の沖田総司が本当の当たり役?で、いつも歌うのは「丘の上のジョニー」

だけど退団してからはかなり金銭トラブルに巻き込まれているようで。

 

 麻実れい(遥くらら)・・・観客を目で殺す男役

56期。同期に萬あきら、小柳ルミ子?

麻実れいといえば「うたかたの恋」の初代ルドルフで、相手役の遥くららは「戦後最大の娘役」と呼ばれたすごいマリー・ベッツェラで。この二人を見ることが出来なかった自分が悔しいです。

私が覚えているのは映像の中の「ベルばら」雪組編でアンドレを演じていたんですが、下手じゃないけど何かが違うと思いながら見てた記憶しか。確かNHKでも「このところ成長著しい麻実れい」と紹介されていたような気がします。

相手役の遥くららが退団したあとは固定の相手役を置かずに、退団公演「はばたけ黄金の翼よ」でヒロインを演じたのが一路真輝。これ、映像で見ましたが一路さんの幸せそうな顔ったらないし、あの新婚初夜の襲われるシーンのすごい事すごい事・・・さすがに「目で殺す」人だわーーと。雪組には勿体ない(失礼)あの濃さはどう見ても星組系よねと思ったら最初は星組だったのね。

紫綬褒章を受章。1995年に結婚していきなり2児の母に。「宝塚OGの希望と呼ばれています」と「徹子の部屋」で言ってましたっけね。今もって存在感が半端ない人です。

 平みち(神奈美帆)・・・なぜトップになったのか?

59期。同期には一樹千尋・大地真央・未沙のえる。

モサクファンには本当にごめんなさい。そして「たまゆらの記」大好きな人にも。見てないから言える事なんですけど、どうしてこの人がトップになったのか未だにわからないんですよねーー

あの有名な「エコーズ」で室町あかねと一緒にカマキリやってた人?あれはインパクトあるし、ダンスが上手なんだと思う。歌もめちゃくちゃ上手で「彷徨のレクイエム」は好きだなと思います。関西テレビでやってた「はいからさんが通る」の少尉なの?と思いだしたくもない映像が・・・

技術的に上手でもはっきりいってスター性があったか?と言われたら・・・ごめんなさい。私にはわかりませんでした。

 杜けあき(鮎ゆうき)・・・杜の都の初代スター

65期。確か「ベルサイユのばら」をテレビで見て宝塚に入るって決心したんじゃありませんでした?本名が「狩野」さん・・結構いいお家の出かな?白百合なんてお嬢様学校だしねーー

東北初のトップスターって事ですよね?でも仙台人はそのすごさがちっともわかってないんですよ。杜けあきがトップになって平成の「ベルばら」ちょっと名前が売れて、私の友人達ですら名前を知るようになってって・・そこまではいいんですけど、だったらもっと仙台市が彼女を大事にすべきだったし、菓匠三全ももっと早くスポンサーにつくべきでした。白松がモナカもね。

私がいくら「宝塚のトップになるのはすごい事なんだよ」って力説しても「だから何?な反応にほんと、がっくりしました。朝海ひかるが萩の月のCMに出るようになってやっとって感じ?でも仙名彩世も蓮つかさもぜーんぜんでしょ?

正直、あの当時、つまり杜けあきがヅカに入った頃に大声で「私、宝塚が大好きで毎月上京しているんです」なんてとても言える状況ではなかったと思います。朝海ひかるも東京までバレエを習いに新幹線通っていたけど、それを公にした途端にあれこれ陰口を叩かれるというか、「道楽者」の烙印押されて終わりですよね。

ピアノやバレエや習字を習っている子は沢山いたけれど、じゃあそれを職業にする為に親元を離れて生活するって事が出来ない時代だったのです。それって何だかとっても親不孝なことみたいでねーー中村雅俊も鈴木京香も仙台なのに何でかねーと思います。芸術そのものに対する理解度が関西とは雲泥の差。

今でも私のお友達のお姉さんは「宝塚」の「た」の字も言わずに生活してますよ。

長くなっちゃったけど、そんな時代によく歌劇団に入ったなあと。よほどお家に金銭的余裕があって理解があって・・なんでしょう。

私、彼女の「ベルばら」はテレビで見た口なんですけど、一言でいうと「くどいアンドレだなあ」と思いました。静間さんの衣装もしつこいデザインでキラキラしすぎだったし、それにしたってアンドレの絡みつくようなくどさが印象的で「これはベルばら」って言えるのか?と思いました。

でも杜けあきあたりの時代から、男性も宝塚をよく見るようになって作品の批評が増えたのも事実で、そういう意味では宝塚歌劇を「少女趣味な人が見るもの」から「歌舞伎や新派などと同じような舞台芸術の一つ」になったんです。

友人が杜けあきファンで「ヴァレンチノ」のビデオも見せて貰いましたけど、代表作の一つでストーリーがよかったし、宮本亜門の演出も悪くはなかった・・・でもどうも宝塚を見ている気にならなあったなあと。小池修一郎と相性がよかったのは確かですよね。

後はなんせ見ていないので。

 

 一路真輝(紫とも・花總まり)・・・娘役より美しい男役

68期。同期に英真なおき。

最初は「ベルばら」を映像で見て「あんて女の子っぽオスカル様なんだろう」と思い、次に「風共」を映像でみて「女役の方が生き生きしている気がする」と思い、「はばたけ黄金の翼よ」のビデオを見て「女の子そのもの」と思い・・・・

なんですけど、やっぱり退団してみたら歩き方から何から男役だったって話です。

杜けあきが優等生を貫いて雪組を芸術の組に押し上げた一方で、それでも「宝塚」の枠からはみ出る事がなかったのに対し、トップ時代に作品に恵まれたとはいえず、美しくて知名度もありながら代表作なしで退団するのか?と思われた彼女に「エリザベート」が降りて来たという意味で、彼女は「持っている」人だと思います。

なんせ娘役よりも本当に綺麗な顔立ちだったし、歌は宝塚一上手で・・それだけに「男役」としてどう見せるべきか演出家が困ったろうなというのは感じるんです。涼風真世みたいにフェアリー系ともいえないし、炎の妖精路線というわけにもいかず、最終的に「人ならぬもの」だったってことですね。

個人的に好きな作品は「バロック千一夜」「サジタリウス」で、「あかねさす紫の花」はどうも飽きてしまうし・っていうか当時の雪組の微妙な番手争いが透けてみえるので安心してみてられないっていうのはありました。(いや、生で見たわけじゃないんですけど)

退団してからは本当によく喋るし人を笑わせるのが得意な人で、退団してからすぐ大河ドラマに出演することになってNHKの昼の番組に出た時に、「毛利元就のお兄さん・・をやるわけではなく・・」と言っただけで会場が爆笑し、アナウンサーに「一路さんってこんな人だったんですね」と言われてました。

また、わりと初期の頃にコンサートへ行った時、「エリザベート」ガラに白城あやかとウイーンへ行き、「マッキー」と呼ばれたと歌より喋りが面白かった記憶があります。余談ですけどエリザベートの衣装も白城あやかのが一番立派だったんですって。じゃあ、花總まりの衣装なんか見せたらあっちの人はどう思うんだろうと・・・

最近ではトートを演じると鬼気迫る感じですし、女優としてもいい味を出すようになりましたよね。

 

 高嶺ふぶき(花總まり)・・・理想のフランツ・ヨーゼフだったのに

69期。同期には麻路さき、久世星佳。

一つの組に同じタイプのスターをトップと二番手として置くのは不幸の始まりなんじゃないかと思います。

高嶺ふぶきはそれこそ一路真輝と同様に、というかある意味それ以上に美しい男役でしたけど、常に「何が得意なのかわからない男役」と言われて来ました。どんな役もそつなくこなすけど、「ヴァレンチノ」のナターシャ程インパクトは感じないという意味で、いっそ娘役だったらよかったのにとさえ思う程。

しかも3番手に男そのものでバックも強い轟悠と新人公演時代にNHKで取り上げられ、いつの間にか4番手まで登って来た優等生の香寿たつきがいるという状況下、一路時代は轟とダブル2番手状態でしたよね。芝居でもショーでもそういう立ち位置が見ている者を不安にさせるというか、「エリザベート」でも本来は脇役に徹するフランツ・ヨーゼフを無理やり「二番手の役です」って言ってる感じでしたしね。

でも、このフランツ・ヨーゼフが今までどの組がやった「エリザベート」よりも素晴らしかった。いうなれば「実際の皇帝陛下はこんな人だったんだろうな」と思わせる人でした。高貴さと優しさと皇帝ゆえの冷たさを併せ持つ人で、それゆえエリザベートの孤独をなかなか理解出来ないんです。

本人が望んだかどうか別にして結果的に2作退団。お披露目になった「虹のナターシャ」は大変な駄作だったけど、最後の「仮面のロマネスク」はこれぞ高嶺ふぶきの悪の色気全開という事で最高の出来になりました。

花總まりとの相性はものすごくよくて、あの花總まりがちゃんとした娘役に見える貴重な相手役、それが高嶺ふぶきでした。

幻の「晴れた日に永遠が見える」それに太田哲則版「アーネスト・イン・ラブ」ともいうべき「アリスの招待状」が名作として心に残っています。

今は・・・本当に太ってしまって、まるで自分を見ているみたいで悲しい。本人は必死に明るくふるまっているけど、あれだけの美貌を誇った彼女の変わりようには彼女自身が一番傷ついているんじゃないかと思います。

 轟悠(月影ひとみ)・・・亭主関白が歳をとって好々爺に

不作の71期。同期に稔幸、愛華みれ、真琴つばさ。

「凱旋門祭」の一部をスカステで見た時、轟悠の真綾希帆へのあまりにも優しい視線に驚いてしまって。そういえば一度も月影さんにあんな顔をした事ないなあと。

轟悠は宝塚でしか生きる事が出来ない人だと思います。外の世界に出たら最後適応障害起こしてダメになる・・親もそれをわかっていたから宝塚に入れて理事にまで押し上げたのかなと思う程です。

轟悠時代はいわゆる1000days劇場の頃ですが、偶然入り待ちに遭遇したんですね。ファンはずっと座って轟さんが来るのを待っていたんですが、そこをすーーっと轟さんが歩いて行っちゃったんです。で、ファンたちが茫然としている中を、はっと気づいて慌てて振り返って手を振って去って行った・・というシーンを目撃しまして。

ファンですら気づかないうちに通り過ぎる人なのかーーと。

 絵麻緒ゆう(紺野まひる)・・・わがままなのに憎めない

73期。同期は天海祐希、姿月あさと。

一言で言うと「星組の御曹司」だったんですよね。いい意味でも悪い意味でも。天海祐希のような光輝くスター性があったわけでも姿月あさとのようなすごい歌唱力があったわけでもない。でも、星組的美男子というか、並み居る男役らの中でアイドル的な少年といった感じでした。

数々の逸話もあり、例えば「うたかたの恋」の新人公演ではルドルフを演じたけど、相手役の花總まりに「あなたのいう事はさっぱりわかりません」と言われて喧嘩になったとか、「ファンなんかいらない」といったとかね

その性格のわがままさというか、世間知らずさというか、絶対に外の世界にでちゃいけない人だったかなと思います。

それでも星組の男役らしく白軍服がよく似合い、金色の髪も美しく、そこにいるだけで華やかでしたよね。

一番綺麗だと思ったのが「美麗猫」のポスターで金色の衣装が本当によく似合ってました。あの衣装は後に貴城けいも着ているのですが絵麻緒には華やかさや品のよさと危なっかしさの面で叶わないと思いました。貴城けいが雪の御曹司でしっかりしていた・・つまり雪はそういう組なんですよね。

「エリザベート」のルドルフで遅咲きのブレイクをするんですけど(和央ようかのルドルフ以上に品があったよね)確かにあのルドルフは奇跡的な美しさと演技力でした。本人も心から死にたくなったとか言ってたし。ということは憑依型の男役だったのでしょうか。

確かにダンスは下手だし歌も下手だったけど星組の中にいる分にはトップにしてもいい人でしたし、応援もしてました。だから香寿たつきとトレードと聞いた時は驚いたし傷ついたし可哀想でした。どうにかなっちゃうんじゃないか思ったほどです。でもこのエキセントリックさが絵麻緒ゆうの魅力だったんだなあと思いました。

いきなり轟悠の下につけられ、同期もいたし、月影瞳もいたけどでも最後まで馴染んでいなかったような気がします。なんせ次には歌劇団一押しの朝海ひかるが控えていましたし、そのせいなのか顔がむくんできてましたよね。

最後の「追憶のバルセロナ」が正塚先生としては精一杯のコスチューム物で、それが似合っていたのが救いでしたか。

 朝海ひかる(舞風りら)・・・宝塚の内村航平は難易度Eのダンサー

花の77期。77期って安蘭けいに花總まりに春野寿美礼に成瀬こうきに・・と研10になっても半分くらい残っていた程綺羅星の期でした。

中でも朝海ひかるは最も遅咲きだったと言えるでしょう。それというのもついに新人公演の主役をやる事無く・・・ただどういうわけか97年TCAスペシャルあたりからプッシュが入りだして、出来たて宙組の4番手におさまってました。

香港公演のビデオを見た時は、そのあまりにも可愛らしい風貌にてっきり娘役なんじゃないか?と思ったほどで。(なんせ花組をあまりみてないので、新人の頃は知らないのです)

でも信じられない事に男役だった!しかも背高のっぽの宙組の中ではかなり小柄に見えちゃって。「エリザベート」のルドルフもかなりエキセントリックで、どこか原作を離れてしまったような気がしました。

ところが、朝海はあっさり「エリザベート」東京公演前に雪組に組替え。

元々雪組で実力を発揮していた安蘭けい、月組から組替えになってきた成瀬こうきと「だんご3兄弟」をやらされるとは思いませんでした。

同期3人が揃い踏みすると、その下にいる78期以下がものすごく損をするんですよね。しかも、総合評価オール5の安蘭けいと、組替えによって殻を破れたのか、急激に男役度を上げて実力派に育った成瀬こうきに比べると、朝海は小柄過ぎて、「バッカスと呼ばれた男」では娘役をリフトしたら相手の方が太く重く見えてしまって、あの時は「あまりにも男役失格でしょ」と思ったものです。

周りがトップへの地固めを始め、「凱旋門」で新人公演主役の代わりの「役替わり」をさせ、安蘭が星に組替え、成瀬が絵麻緒と退団することになると、本人的にはプレッシャーでしょうがなかったのか、急激に自信のない顔つきになって。朝海にはトップスターでいるより、宝塚でダンスを踊っていたかったんですよね。

それが本人の希望はそっちのけであれよあれよという間にトップスターに上りつめ、

「春麗の淡き光に」「JOYFUL」でお披露目。

だけど、「春麗・・」はどう考えても新人公演の音月桂の方が上手だったし、貴城けいの方が華やかさと安定感がありました。相手役の舞風りらは「自分に頼らず何でも一人で出来る人」という事で選ばれた元花組同士。最初から最後までラブラブ感の一切ないカップルでした。

どの座付き演出家も朝海ひかるにどんな役が似合うのは測りかねていたんだと思います。ショーはイメージの世界ですから妖しい雰囲気と華麗なダンスで見せる事が出来たけど、芝居では何をやっても男役としてのよさが見えてこなかった気がします。

「レ・コラージュ」「タカラヅカ・ドリーム・キングダム」のローズの場面など、難易度の高いダンスになればなるほど見せてくれる人で、その集大成が「タランテラ」だと思います。荻田浩一は朝海に「クモ」の役を与え、最初から最後まで難易度Eの振付をさせたのでした。(舞風りらも同じでよくついていきましたよね)

あの植田景子も朝海に与えた役は堕天使ですから、どこかでトート閣下あたりを意識していたのかもしれません。

 水夏希(白羽ゆり・愛原実花)・・・雪組をまとめあげた人

79期。同期には立樹遥や未来優希。

月組に配属された頃からホープだったんですよね。そこから彼女の数奇な運命が始まる・・・

まず98年、花組に組替え。この時、月組ではすでに大和悠河のプッシュが始まっており、上級生が次々組替えに合うんですね。そして花組で「ロミオとジュリエット99」でバウホール初主演を果たします。

この時、77期には春野寿美礼、78期に瀬奈じゅんがいました。

2000年「あさきゆめみし」の明石の上がかなり好評だったようです。でも本拠地の2か月後にはベルリン公演に狩りだされ、戻って来たらいきなり宙組へ組替え。

ネットではこの時、本当に色々な噂が飛び交い、しかも荒れてあれて・・・水の実力をよく思わなかったのが瀬奈じゅんだったとか、いじめられたとか、それで急きょ宙へ異動したとかね。というのも花ファンは東京公演の明石の上を楽しみにしていた人が多かったらしいのです。

宙組では何と言っても2000年の「フィガロ!」が傑作で、水夏希の明るさによく似当てました。でもトップになってからだったらもっともっと面白かったろうなと思う作品でもなり、この頃はまだ演技が硬かったかな。

このまま宙組で落ち着くのかと思った2004年の「各組スターの特出」によって、雪組やら花組やら(瀬奈はいなかったね。「ラ・エスペランサ」に特出していたのはあとは霧矢大夢だけ)半年も宙に戻れず、もどったと思ったら2005年には雪に組替え。

この時も結構噂を聞きまして・・・「花總さんは何と言っても和央さん命だから、水君が少しでも立ち位置をずらすと「それじゃタカコさんが見えないじゃないですか」って演出家に直談判して抗議するのよ。本当に水君、可哀想だったわ」と。

私は「へえーー」としか言えなかったんですけど。

だけど雪組には当時、貴城けいがいて、なんでこの人が急に宙組で1作トップ?と不思議だったし、急激に雪組が変わり始めたというか、その割には「霧のミラノ」ではすんなり馴染んでかっこよかったけど。

2006年に雪組トップスターに就任。相手役に返り咲きの白羽ゆり、二番手に花組から彩吹真央を迎えての新体制。

「ゆみこちゃんは「エリザベート」のフランツ要員なだけよ」って言われた事もあったなあ。「エリザベート」のポスターを見た時、思わず「アオセトナだ」って思ってしまって姫と爆笑した記憶がありますが、初演の雪組以来の素晴らしい出来栄えでした。

2007年に世界陸上の開会式に出た事をきっかけにAQUA5を結成。365日休みなく駆け抜けました。CDは出すわ、テレビには出るわ、こんなに露出度の多い宝塚っていつ以来なんだろうと毎回楽しませて頂きましたし、笑わせるのが得意な水夏希の受け答えが大好きでした。また、コンサートにも行く事が出来て仲のよさを感じたというか、雪組ってものすごくまとまっているなと思いました。

ショー「RIO DE BRAVO」では初めてポンポンを使って客席参加型を演出。それは今も当たり前のように受け継がれていますよね。

相手役の白羽ゆりというより、彩吹真央との相性が抜群で、だからこそ「マリポーサの花」が駄作の割には人気になったし、「ロシアン・ブルー」もコメディセンス抜群のよい作品になりました。また「カルネヴァーレ睡夢」のバイオリンとトランペットのシーンは二人の絆を感じましたね。

それだけに退団公演「ロジェ」は急によそ者感に包まれて意外でした。

退団してからもご活躍で、先日、スカステで「ラストダンス」を見ましたが、素晴らしいエビータでした。

水時代の雪組は下級生がよく育った時代でした。下級生にすれ違いざまに声をかける程、よく見ているトップさんだったようで、ゆえにみんな頑張ってレベルの高い、しかも明るく元気な雪組になったと思います。今でも水夏希の時代に戻れたらいいのに・・と我が家の姫はよくこぼしてますけどね。

(いいのっ!だいもんがいるんだからっ)

 

 音月桂(舞羽美海)・・・不運過ぎたトップスター

84期。同期に北翔海莉、未涼亜希、白羽ゆりなど。

典型的な雪組系トップスター。つまり優等生なんです。

生え抜きで、2001年「猛き黄金の国」の新人公演主役では本役さんより上手だと絶賛され、同じく2001年「アンア・カレーニナ」のセルフホスコイは、とても下級生とは思えない演技を披露、2002年「追憶のバルセロナ」のフェイホオではとにかく目立つ役回りでどうやら正塚先生に気に入られているみたいと感じました。

2002年バウ「ホップスコッチ」ではピーター役。

私、日本青年館の初日に行ったのですが、まあ席がガラガラで気の毒でした。この頃、ちょっと小生意気だったのか、自分の実力に自信があったのか、共演で最も上級生の立樹遥に対してかなり生意気発言しててちょっと怒った記憶があります。

立樹遥は自分が自分がーーというタイプではないし、壮一帆もその頃はまだおとなしかったし・・優等生の音月が得意になるのもしょうがないのかもしれませんけど。

「春麗の淡き光に」新人公演もやっぱり本役より上手で、日本物がとても似合う男役でした。ここらへんから快進撃が始まり、笑顔がとっても可愛らしくかっこよく歌も演技もダンスも上手という将来有望な男役・音月桂はさっさとトップになるのかな?と思われていたんです。なんせフィナーレのエトワールを3回もやってるし、「仮面のメサイア」でも羨ましい程いい役に恵まれていましたし。

あまりに順調すぎる下級生生活だった為なのか、トップになってからは散々でした。

まず、水夏希のさよなら公演が正塚作品「ロジェ」だった事。いつもの暗い話で何だかなあと思っていた所に、まさかプレお披露目2010年「はじめて愛した」も正塚作品だった事。

専門家からも「何で立て続けに正塚作品なのか?音月桂は明るいスターなのに暗すぎて」という意見が多かったです。

2011年「ロミオとジュリエット」雪組版から同期の未涼亜希がやってきてサポート・・まではいいけど、相手役が舞羽美海に決定したんだよね?というタイミングでまさかのジュリエットダブルキャスト。しかも相手は入団したばっかりの夢華あみで、彼女は96期のいじめ事件に深くかかわっていた子で、せっかくのお祝いムードが台無しになってしまいました。

夢華は当たり前ですが入団したばかりで体も出来上がってないし、演技もド下手だったし、何がどうしてこういうキャスティングになったのか不思議でしょうがない。

といった所に今度は東日本大震災が起きて、それでも上演し続ける宝塚に批判の矛先が向き、毎回組長が言い訳のごとく「上演させて頂いてます」の挨拶と、組子がロビーで募金活動するとか・・まさにめちゃくちゃ。

2011年「ハウ・トゥ・サクシード」と2012年「フットルース」はDVD化もされず、抹殺状態。2011年「仮面の男」は児玉明子のせいで、劇団が異例の措置をとり、東京公演のみがDVD化される事に。

谷先生の「SAMOURAI」は「皆殺しの谷」が出ちゃった作品で駄作。「ドン・カルロス」はまさかの木村信司で「心から心へ」の楽曲しかいい所がない作品。

ここまでくると本人も辞めたくなる気持ちがわかります。

結果的に「JIN-仁」で同期の北翔海莉と未涼亜希の3人そろい踏みで有終の美を飾ったけど、「GOLD SPARK」は高嶺ふぶきのさよなら「ゴールデンデイズ」に匹敵する程さよなら色のない作品で気の毒でしたね。

その後はEXILEの事務所入り。つい最近の「越路吹雪物語」では久しぶりの男役姿と笑顔の美しさで我が家の姫が号泣。

ドラマ向きの顔でもあるし、舞台よりそっちの方がいいんじゃないかなと。

 

 壮一帆(愛加あゆ)・・・タナボタトップスター

82期。同期に涼紫央

1996年 → 花組

2001年 → 雪組

2006年 → 花組

2012年 → 雪組でトップ

動きだけ見てると香寿たつきに似てなくもないですが。

雪組時代からしかしらないのですが、その頃の壮一帆は押しの強い音月桂の迫力に負けていたような気がします。単独で何かやれば品もあるし上手なんだけど、肝心の「華」の部分で音月などに負けていたというか。

2003年「春麗の淡き光に」ではとても優しいおにいちゃまを演じて、感じがいいなと思いましたがショーになるとあまり目立たないんですよね。

2003年「春ふたたび」はスカステで見ましたが、本当に素晴らしい貴公子で、日本物がこんなに似合う人だったんだと再確認。

2004年「送られなかった手紙」は実際に見に行ったけど記憶なし。

2004年「あの日みた夢に」あたりで、ちょっと存在感が出て来たかもという所に2005年「DAYTIME HUSRER」で敵役に挑戦。力の入った演技で魅了。

それでも雪組時代はいずれ音月桂に抜かされるだろうと思っていて、いわゆるトップ候補ではないよねと思っていました。遠慮があったのか、周りがそうさせたのか、今一つ個性を発揮できずにいたような気がします。

が!2007年に花組に返り咲くと、やりたい放題が始まります。「明智小五郎の事件簿」から何かがふっきれて好きにやろう!みたいなムードが出て来たんでしょうか?

演技に多少の雑さが出てきた理、滑舌が悪かったりと欠点も見えて来たのですが、それでも「だからなに?」的な開き直りが功を奏したようです。

2009年、真飛聖のお披露目公演「太王四神記」ではプルキルを演じて大好評でしたけど、大空祐飛の組替えで、またも3番手に落ちた?と思ったら、大空のご栄転でまたも立場がアップ。

真飛聖をトップとして立てるという姿勢が全然みられず、「花組らしさは私が持ってう」的な自信に彩られた2番手時代。あまりにもタイプが違い過ぎたトップと2番手のぎくしゃくが見えてしまいました。

2011年、蘭寿とむが宙組から返り咲いて、二番手が続きますがこちらではどんなにやりたい放題しても蘭寿がどん!と構えていて息もピッタリで。でもこのままだと壮一帆は専科かなあと思っていたりもしたんですが、音月の早期退団により、タナボタでトップになりました。

本人も早霧せいなへのつなぎだとわかっていたんでしょうね。3作で退団。

2013年「ベルサイユのばら」フェルゼン編・・これは作品がベルばら本来の話から離れているようにも見えましたけど、よく頑張ったなと。

「SHALL WE DANCE」もそこそこの出来。でもショーの「CONGRATULATIONS 宝塚!!』 はただうるさいだけ。滑舌が悪いトップと2番手が歌うんですから、聞いてる方が大変なくらいでした。

ラストの2014年「前田慶次」はいい作品で有終の美を飾ったなと思います。

今じゃすっかり綺麗なお姉さまですけど、でも舞台で活躍しているようで嬉しいです。

 

 早霧せいな(咲妃みゆ)・・・荷が重すぎた?

 87期。最初は宙組配属 → 2006年雪組へ

この人程、トップの羽根を背負いながらついにトップスターらしくあった事がなかった唯一の人だと思います。

どんなスターでも立場を与えられれば何とかトップに成長する。だけど、この人は最初から最後までトップスターのオーラを放つことなく、ただ淡々と仕事をして、成長もなく、優等生の望海風斗のかげに隠れてしまった人です。

雪組に組替えになった時から路線にいたのは知っていますし、このまま順調にいけばトップスターだなあと思っていました。

でも正直、早霧せいながトップになって雪組がどんな組になるかという事が想像できず、どういう役柄を与えたら輝くのか、それもわからなかったです。

体育会系でダンスがとっても上手ではあったけど、あのひどい悪声と滑舌の悪さはせっかくの作品を意味不明のものにしてしまうし、表現力のなさも際立ってしまった。それを感じたのは2015年「星逢一夜」で、間の取り方とか、セリフの喋り方とか、演じ間違いも結構多くみられて、ちょっと残念でしたね。

さらにショーになると歌が全然だめで歌詞も聞き取れないくらい。大事なところは全部望海風斗にやらせてたなあと。

歌劇団も見た目のよさを強調したかったのか、ルパン三世やるろうに剣心などキャラクターの再現率で早霧の人気を上げたような気がします。

最後の「幕末太陽傳」は雪組と早霧せいなには荷が重すぎたと思います。

主役が下手からさらーーっと登場して、え?今のチギだよね?というくらいの存在感のなさ。また、間の取り方が悪くて・・作品自体ちょっとだらだらしてはいたんですけどね。

そんな早霧せいなですが、退団して「るろうに剣心」再演するようですよ。

 

 望海風斗(真彩希帆)・・・おそらく歴史に残るトップスター

 

89期。

サブタイトルを読んだら我が家の姫ちゃんはきっと「だいもんだから贔屓してる」というだろうなあと想像がつくのですが。

私が望海風斗を発見したのがかなり遅かったので(2012年花組「復活」ミハイロフ役でそんなにセリフがないのに、何だか上手な人がいるなと思いました。あとから「虞美人の桃娘?」とびっくりしちゃったんですけど。

それから芝居でもショーでも注目するようになり、作りの大きい思い切り頑張るタイプの男役だという事はわかりました。

特に2013年「オーシャンズ11」のテリーではあまりに演技が上手、歌も上手なので今すぐトップになってもいいんじゃないか?と思った程。

それから2015年に雪組に組替えになり、そこからはっちゃけてプロ根性丸出しの「私が本当のトップスターです」的な活躍をするように。

「星逢一夜」の源太はかっこよくて優しい人だったし、「La Esmeralda」でも歌唱力を一人でカバー。

スカステで見た2015年「アル・カポネ」をちらちら見てたのですが、次第に夢中になって目が離せなくなり、あの声はどこから出てくるんだろうと。

2016年「ドン・ジュアン」に至っては話がめちゃくちゃなのに、ひたすらあの熱さに圧倒されて全部見ちゃったという感じです。

原田諒と生田大和は心から望海風斗に感謝しなくてはなりませんね。

脚本のあらを埋める程の演技力が望海風斗にはあるということで、ゆえに組子に頼られっぱなしにされるのは困るし、真彩希帆とラブラブ感がなくなっても困る。

男役は「型」であり、愛を演じることが上手でなければいけないので、そこらへんの胸キュン感がもう少し欲しいかなと思います。

 

 

 


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