ミロさま、初観劇、おめでとうございます。またネタを提供して頂きありがとうございます。
宝塚歌劇といえば「好きな人しか行かない」場所というイメージが強いと思うのですが最近では修学旅行生も行きますし、数々の貸し切り公演もありますし、好きも嫌いも「コースの中にあったから」見る人も多くなっています・・・というかそういう人の方が多いんじゃないか?とも。
真琴つばさの「ゼンダ城の虜」は大劇場でしか上演されず、私は見に行くことができなかったのですが、舅と姑は地方銀行の観光旅行で大劇場がコースに入っており、「仕方なくみたんだーー」と言ってまして。あの時は内心腹が立つやら。
舅なんて「さっぱりわからないからずっとロビーで煙草吸ってた」とか言うでしょ?
「お義父さん!これは東京に来なかった作品なんですよ」と一応言って見たけど「だから?」みたいなねーー
「ママがそんなにみたいなら代わってあげればよかったね」とか慰められても。
他にも初演の「凱旋門」の時は農協の団体さんが入っていて、あまりに芝居がつまらなかったのか一斉にいなくなってしまった事もあり。
ということで、「好きも嫌いもなくたまたまチケットが手に入ったために宝塚を見ることになってしまった人へ」のご案内です。
宝塚の基本は「芝居」と「ショー」
宝塚は11時公演と15:30公演、時に13時、18時半公演などに分かれていますが
基本的に1時間半は「芝居」30分の休憩をはさんで1時間が「ショー」になっており、貸し切り以外は組長やトップの挨拶はなく、無論カーテンコールもなしです。
「芝居」といっても芝居小屋の芝居というよりはミュージカル・・ではなくやっぱり「歌劇」です。宝塚の芝居は歌ではなくセリフがメインで合間に歌が入ると思って下さい。
他に「グランドロマン」と呼ばれる1本物があり、「ベルばら」がそれにあたります。
公演プログラムを買おう
舞台を見る時の必須アイテムとしてオペラグラスがあります。宝塚の場合は他の劇場より客席と舞台が離れているのでオペラは絶対にないと。それにあの化粧ですから最初は誰がだれだか区別がつかないでしょう。1つの舞台に100人近い人数がいるので。細かく見れば衣装の1本の筋、刺繍などでその組子の立ち位置がわかる程なんですけど、とりあえず初心が目に入れておかなくてはならないのはトップスターと娘役トップです。この二人を覚える為にプログラムを記念に購入しましょう。
1部1000円です。大劇場と東京では表紙が違うので両方揃えると楽しいけど、とりあえず東京宝塚劇場に入って右側で買ってください。次回公演や青年館などのチラシもありますから何枚かとって見るのも良いでしょう。
公演カクテル&公演デザートを予約しよう
各公演には面白い名前がついたデザートや、公演にちなんだカクテルが売られています。カクテルにはアルコールとノンアルコールがあります。30分間の幕間までに売り切れてしまう可能性があるので2階の向かって左側で予約しましょう。
ちなみに「天は赤い河のほとり」のカクテルは結構きつかったです。
お昼ご飯はどこで食べるの?
団体さんの場合はお弁当付きというのがあり便利ですが、そうでない場合、二階と4階のホワイエでおにぎりやサンドウィッチを買って食べるのも楽しいです。
でももし時間があれば11時公演の場合は公演後、3時半公演の時は公演前に日比谷シャンテの地下や有楽町あたりでおしゃればレストランに入るのもいいでしょう。あちこちにヅカファンがいて公演やスターの話をしているのに聞き耳を立てるとか、写真などを好感している光景を見て「へえ」と思うのも楽しいです。
ちなみに向かい側のクリエや日生劇場ではジャニーズの公演をしている場合が多く、若い10代のファンが秩序なく群がっている事もあります。
芝居は衣装を、ショーは音楽を楽しんで
芝居とはいっても「初心者講座」で書いた通り、いつも傑作が出てくるとは限りません。「ふぶきさんが言ってたキムシンに当たっちゃったよーどうしよう」なんて事もある筈。キムシンなら倒置法を乱用するかどうかを聞いて「やっぱりそうだった」と妙に勝ち誇るのも楽しみではありますが、それは通で、初心者の方はまずはストーリーと結末を印象にいれるようにしましょう。それも無理なら、とにかく衣装を楽しんでほしいです。宝塚の衣装はとにかく豪華ですから。
私は最初にショーを見た時、どこをどう見るべきかわからずただただ圧倒されてみてただけなんですね。後でビデオを見返して「ああ、そうなのか」と思う事も多々あり、また当時はバレエも見た事なかったし、歌の上手下手もわからなかったです。
だからショーは音楽が流れるように続いているかどうかを重点的に見て欲しいです。そうすれば飽きませんので。すぐに暗転して場面が変わるーーを繰り返しているとやっぱり飽きちゃいますよね。いつの間にかフィナーレが来てたというのが本当にいいショーなんです。
ちなみにショーの始まりはトップのソロか、何人かの歌で始まり、「中詰め」と呼ばれるみんなが銀橋に出てきて盛り上がるシーン、そしてロケット、燕尾服、大階段の後、デュエットダンスでパレードというパターンが多いです。
宙組「シトラスの風」では歌劇団のイチオシが場面つなぎに銀橋で歌う事がありましたよね。そうやって「この人をよろしく!」ってアピールしているんです。
幕間の30分はデザートタイム
芝居が終わってちょっと興奮冷めやらずでロビーに出たら、みんな一斉にトイレに向かいます。有難いことに東京宝塚の場合は女子トイレが多く行きそびれる事はないのですが、他の劇場だとそうもいきません。
2階のホワイエではビールやカクテルなどを飲みながら「〇〇さん、かっこよかったね」とみんなが楽しそうに話しています。それを聞きながらさりげなくプログラムをチェックするのもよし、純粋に食べることに専念するもよしです。また、壁のポスターを見て、各組によってこんなに雰囲気が違うのねーー私の好みの顔はこの人よーーと言って見たりするのも乙です。
2階席のよさは舞台全体を見ることが出来る
新しい劇場になる前、東京宝塚劇場は3階までありました。今の劇場でいう所の2階席10列目よりも後ろですね。階段が急であることと段差が大きいことで高齢者には向かないんです。東日本大震災の時には休憩中だったからいいものの、これが公演中だったらけが人続出、パニックでエスカレーターが大変なことになっていたと思います。決して消防法上いいとは言えないんですけど、でも2階席というのは本拠地に比べて縦長で斜め度が高いので見やすいと思います。ゆったり感はありませんが。
終演後はぜひキャトルレーヴへ
公演が終わったら劇場脇、あるいは日比谷シャンテの地下1階にあるキャトルレーヴへ行ってみましょう。さっきみた公演の写真が売っていますし、他にもDVDやCD、各組のトップのコーナーなど充実しています。
その時見た公演のシーンごとの写真や、ブロマイドを買う。4つ切りの写真は思い出にはぴったり!
好きになったスターさんが出演しているDVDを買うなどもいいでしょう。え?何を買ったらいいのかわからない?そういう時は「ふぶきの部屋」を見るか、回りの人に聞いてみましょう。
例えば「あの・・今日の主役をしていた真風涼帆さんのDVDが欲しいのですが何がお勧めですか?」って聞くと、回りにいる人は何でも親切に教えてくれます。
「そうですねーー【神々の土地】これはひとつ前の朝夏まなとさん主演のDVDなんですけど、真風さんは2番手で出演していらっしゃいます。それと・・あ、ここにある「シェイクスピア」もいいですよーー一緒に入っている「HOT EYES」というショーが最高で、真風さんと朝夏さんが×××きゃーー!」ってな風に。
それときっと、「あ、ここが真風さんのグッズの売り場でーーす。色々お勧めがあるんですよ」と聞いてもいない事まで全部説明してくれますから。
キャトルレーヴは劇場脇とシャンテの地下と2か所あります。どちらも除くと、置いてある商品の並べ方に違いがあって片方で目につかなかったものが目についたりして、しまったーーという事がありません。
出待ちしてみる?
2回公演の2回目、キャトルで色々選んで上に上がって来ると、道路わきにはファンがずらりと並んで出待ちしています。さりげなくその集団の後ろにいるとスターさんの出待ちに遭遇出来ます。みんなマフラーの色などでどこのファンクラブかわかるようになっているのですが、わからない時は小さい声で「ここはどちらの・・・」と聞いてもいいと思います。
楽屋口から誰か出てくるとみんな一斉に立ち上がり、後は中腰で座っています。出待ちはひたすらスクワット運動ですから体力勝負。誰かわからなくても服装などで「ジェンヌは並の人ではない」ことがわかればOK。
帝国ホテルあたりに立っているとスターさん達とすれ違う事もあり、役得感ありです。
いかがでしたか?初観劇のさいにはぜひ参考にしてくださいね。