母さんの休暇
私、小さい頃はこの話、よくわからなかったんですけど、自分が子持ちになって初めて母さんの気持ちがわかるというか、よくある夫婦の形だったんだなと思いました。
日頃、物語の中でチャールズとキャロラインはいちゃいちゃしてますよね。それって日本人夫婦にはあまりないことで、羨ましいやら自分もあやかりたいやら、そりゃあ色々努力はしたと思うんですよ。
でも、女というのは母になった途端に変わってしまう。
っていうか、夫婦の形がある程度変わるんだろうなと思います。
「母さんの休暇」は仕事でマンケートに行く父さんが、「第二の新婚旅行しよう」と言い出して、母さんを連れ出すんですね。
じゃあ、3人の子供達はどうしよう?グレースに預ける?いやいや、彼女は熱を出しちゃって無理。そんな所にエドワーズさんが現れて、「よし預かる」ということになったのです。
でも母さんはエドワーズさんの育児には疑問が・・いや、不安が増すばかり。
とにかく連れ出さないとと思って父さんはウキウキ状態で母さんを馬車に乗せるのですが。
野宿先でさあ、いちゃいちゃと思ったら母さんはいきなり「キャリー!」って叫んだり。ホテルへ行っても、「わかったわ。キャリー今行くわ」と夢を見ながら起き出したり。
必死に父さんに「子供達のことは忘れて」って言われているのに、全然忘れられない。
子供達の事は考えない様にしよう・・・しよう・・・と思う程に思い出す。
一方のエドワーズさんは、出来のいいメアリーはともかくとしてキャリーに手を焼く。
「明日の卵」って言って納屋に行ったローラを泥棒と勘違いしてエドワーズさんは屋根に銃をぶっ放す。それを直している最中にキャリーがいなくなる。しょうがないからスカートごと屋根に打ち付けちゃうとか。
母さんの方は、帽子屋さんで新しい帽子を買おうとするけど子供を見て、舞台を見てもやっぱり子供を思い出して泣き・・・諦めて父さんは「やっぱり家が一番だ」といって岐路につくのです。
我が家のヨンジュナが小さいころ、上の二人に預けて夜に夫婦でお店に行った事が何回かあるんですけど、いつも話題は子供達のことばかり。進学が、性格が、本当はいい子なのよ・・みたいなね。
で、段々落ち着かない雰囲気になって結局、早々と帰ってしまうわけです。
でも男の人っていうのは、わりと父になっても男である部分は失わずに、それはそれ、これはこれって割り切れるのかもしれませんよね。
年齢を重ねる程に「母さんの休暇」は胸に迫るものがあるし、ちょっと笑っちゃう部分もあるし、いつまでも心に残る作品の一つだと思っています。