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シアターオーブ「ロミオ&ジュリエット」

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 なーんか無駄な空間が多いのよ。シアターオーブって。

いつまでたっても慣れない。もう少し椅子を増やして下さい。

それとドリンク等売り場やトイレが遠い 25分では無理が

そうそう、階段も多いわ。足腰が弱い人は来るなってこと?

 

 ロミオ&ジュリエット 

ロミオ・・・古川雄大

ジュリエット・・・フランク莉奈

ティボルト・・・城田優

マーキューシオ・・・東山光明

ベンヴォーリオ・・・平方元基

キャピュレット夫人・・・涼風真世

死・・・宮尾俊太郎

乳母・・・未来優輝

 

2011年9月18日にアップした「ロミオ&ジュリエット」の感想は

  こちら  

 前回、あまり感動しなかったし、チケット代のわりにはなーーって感じで

再演が決まっても見る気がなかったのですが、ポスターを見た時にロミオ役の

城田優・・・・じゃなくて、古川雄大の顔を見た瞬間

「あれ?もしかして、この子、ロミオかも」って思ったんですね。

城田優がロミオなら見なくていいや・・・でも古川君なら・・・と。でも友人は

「城田優もみたい」って事で、古川ロミオと城田ティボルトの日にしたのです。

 

 携帯やパソコンの登場に慣れた

二度目ですから携帯やパソコンが出てきても唖然としなくなりました。

「フェイスブックに登録しろよ」というセリフもそのうち古くなるんだろうな。

モンタギュー一族でラインやってますと言われても驚かない。

ロレンス神父のハーブ栽培。「これ、はっぱでしょ?いいんですか?だってこれ

大麻でしょ?ドラッグでしょ」ロミオしつこい。

小池先生としては、誰もが持っている「携帯」便利な携帯でも、ロミオのように

壊されてしまったら何の役にも立たない。連絡手段が途切れる。文明のはかなさを

訴えたかったのかなと思ったりするけど。

モンタギュー家とキャピュレット家には固定電話はないのかしら?なんて考えちゃう

私って・・・・?

それに、携帯なくてもお金持ちだからipadとかすぐに買えそう。という事は

ヴェローナとマントバなんてそんな大した距離でもなく、絶望的になる程のもんじゃない

のでは?いわゆる端末を使えば、駆け落ちも夢じゃなかった。

という矛盾がね。やっぱりね。出てくるんですよ

やっぱり「あの時代だからこそ成立した話」ではないかと。

ティボルトやマーキューシオだってあんなちゃちなナイフじゃなく、バタフライナイフ

くらい持っていそうだし、何よりピストルを持ってるんじゃないか?あ、それじゃ

レオ様版になっちゃうか。

でも冒頭、銃を持った兵士がいたし。あれだけの軍隊を持っているなら両家の争いを

止める事も可能だったんでは?と突っ込んではいけない。

 

どうしても慣れないセリフの中にモンタギュー夫人の「まぶだち」という言葉があります。

ふざけて使っているわけでも若者に合わせているわけでもなく、自然にその言葉を

使うので、名家の奥様が「まぶだち」だっていうか?と。毎回違和感。

 

 全体的に

2011年当時は、歌の素晴らしさに圧倒されて、出演者全員の息が合わず

宝塚版より迫力不足でした。無論、携帯だのパソコンだのにびっくりして

観客も驚きの方が大きかったと思います。

普通の男女で「純愛」を描くのがこんなに難しい時代なんだなあと。それだけみんな

殺伐とした生活をしているんだろうなあと思った事もありました。

 

でも、今回は非常にまとまりがいい。振付も前回よりすっきりしているし、

両家の違いも衣装によく出ててわかりやすかったと思います。

二度目の人も多いせいか、進化しているような印象ですね。

 

 キャピュレット夫人とティボルトの生々しさ

印象的だったのが城田優のティボルト。あの顔でガタイがいい。それで

あんなコスチュームをつけていればまるで「野獣」真面目に「美女と野獣」を

やるべきですわ 

喧嘩のシーンでもモンタギューをばったばったとなぎ倒していくような感じでした。

でも何よりもすごかったのは、キャピュレット夫人との仲。

実際にもあんな風なんじゃないの?と思わせる程のリアル感が生々しくちょっと

見てられないっていうか? 年上の女性をとりこにする魅力を城田ティボルトは持ってるし

それが全く違和感なしで。

「実の叔母と怪しいとか」ってマーキューシオが言いますが、怪しいってもんじゃなく

二人は完璧にできてます。

ツンデレ城田に翻弄されてる涼風さんが可哀想になりましたから。

 

 キャピュレット夫人とジュリエットの関係

キャピュレット夫人は家同士の結婚で浮気性の夫と結婚。

プライドはズタズタ。ゆえに自分も浮気して(っていうか、彼女的には本気)

ジュリエットを産んで復讐した。

ジュリエットに望む事は「結婚はするけど相手に愛を求めず与えず金だけを

ひきだせ」という事。恋愛したいなら「不倫」で十分・・・・って事ですか?

でも、キャピュレット夫人は少しも幸せそうじゃないし。そんな生き方を娘に

示唆する感覚が理解できないんですよね それが「価値観」と言われたら

それまでですが。

キャピュレット夫人にとってジュリエットは娘というよりライバル。

そう思ってみると納得するかなあ。

女同士でティボルトの愛を取り合っている・・・感覚だったのかもしれませんね。

一方のキャピュレット氏はジュリエットが本当の娘じゃないとわかっても愛しいと

歌い上げるのですが、本当に可愛いなら娘が望まない結婚を強要するわけ

ないので、そこに矛盾を感じます。

キャピュレット夫妻というのはなんだかんだいって似た者同士のベストカップル

なんじゃないか?と思いました。

 

 まるでロミオ&ジュリエット&死の三角関係

これは「ロミオとジュリエット」の純愛話なんですが、ここに「死」が加わると

三角関係に見える・・・・・

振付なの?それとも古川君のBLっぽいへんてこな色気のせい?

死がロミオに絡むたびにこっちはドキドキですよ・・・・ もしロミオという役が

古川単独のものだったら、小池先生はきっと「死」とのダンスを増やして、妖しく

キスシーンでも作りそうな雰囲気。

特に驚いたのは、初夜シーンで「死」がおりてきてロミオの首をしめようとする所。

不気味というより「アブナイ」・・・ロミオの初夜に乱入した「死」がジュリエットから

ロミオを奪う図って感じがして、ぞぞっとしたんですが。

「僕は怖い」とかマーキューシオ達が死んだ後の歌(宝塚では「僕はこわい」)

それにマントバで「薬売り」のシーン、どれもこれも「死」が絡んで・・・完璧に

愛されちゃってるなーー腐女子が好みそうな構図になってました。

 

 出演者について

古川雄大・・・ロミオ。はっきり言って目立たないのです。初ロミオで出演期間が短い。

       おまけに真横に城田優がいたんじゃ、精神的に一杯一杯で遠慮しいしい

       もがいてる印象。けれど、少なくとも城田よりはロミオ役者だと思います。

       非常に目立たない部分もあり、柚希のように、出てきた瞬間から光り輝く

       というわけではないけど、ジュリエットの出会いからバルコニー、ティボルトを

       殺してしまう場面、初夜シーン、ラスト、どれも違和感なく自然に見る事が

      出来ました。

      今、日本のミュージカル界で恋愛ものを「自然に」見る事が出来る役者というのは

      それだけで貴重だと思います。キスシーンもよかったし

      見てないけど「エリザベート」のルドルフもいい出来だったんじゃないかと。

      あとは場数と音域、声量、スタミナ・・・課題は多いけどおいおい応援してます。

城田優・・・ティボルト。当たり前ですがあの身長に顔です。自分が座長!って感じで

     出てきても仕方ない。ティボルトはロミオより似合っているし、迫力もあります。

     前述したように体型・身長・ビジュアル、全てが目立つ人なので舞台向き。

     ぜひ「美女と野獣」の野獣を・・・・

     声が甘いというのはもともと持っているものだろうけど、もう少し役作りをして。

     ティボルトは「こんな風に生きたかったわけじゃない」とソロで歌ってるけど

     そこらへんの苦悩が見えないんですよね。

フランク莉奈・・・ジュリエット。二度目ですからロミオをリードするような部分もあり

      なかなか活発で出来上がってる印象。でも歌が間延びしてて

      もう少しメリハリをつけて欲しいです。

平方元基・・・ベンヴォーリオ。涼や未涼が自然にやっていたので・・・ってまた

       宝塚版と同じ感想になるけど、ベンヴォーリオという役には個性がありません。

       ゆえにそのままやればその人の雰囲気しか出しようがない。

       そういう意味で平方氏の出来は×。

       役柄がよくわかってないよね。

東山光明・・・マーキューシオ。頑張ってたけど城田相手じゃかなうわけなく。

       天寿光希並のはっちゃけぶりが欲しかったです。死ぬ場面の歌も

       あれはののしっているのに、突然「愛する友よ別れの時だ」と歌い始める。

       そこらへんの切り替えがちゃんと出来てなかったと思います。

涼風真世・・・キャピュレット夫人。歌は完璧。娘より綺麗。これ以上どうすればいいの?

       母性のかけらもない所が潔いかも。

未来優輝・・・乳母。前回よ目立ちすぎてる感じ。この人、本当にやりすぎる所があるので。

宮尾俊太郎・・・色気があるっていうか。ロミオと怪しい関係のようで。

         面白かったのはフィナーレでみんなわいわい騒いでいるのに、一人で

         「死」だった事。

 

わかっちゃいるけど、ブローウエイ風ミュージカルに慣れていると「歌」と「ダンス」を

別物に考えて、歌が得意な人は歌えりゃいいとやってる人が多いです。

でも、日本においてミュージカルがヒットする要因は、歌もダンスもそこそこでいいから

「演技」をしっかりやって欲しいという事。

そこらへん、若手から中堅が全然わかってない。

今回の古川君を推すのは、彼だけはそれがわかっていたという事かな。

 

あらためて・・・柚希礼音はすごいよ。ほんと。鶴美舞夕は本物のバレエダンサーと

同じくらいの筋力があるんだーー天寿光希は男性より男っぽかったんだーーと

振り返れば宝塚のいい所ばかり思い浮かびます。

それが小池先生の「手」なんでしょうかねえ?

 

 


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