昨日、3列目で見る事が出来ました
ここ最近、1階席で見る事自体が少なくなっているので嬉しい。
(二階席ったって安くないってのが悲しいけど)
3列目の下手側・・・本当なら前方の席でも2階席の後ろでも、同じように感動させて
くれる舞台が一番いいんですけど、今回は3列目でしかわからないものが
沢山見えて。勉強になったなと。
ルパン
余談ですけど、11時から2時までの間って、個人的には睡魔に襲われる時間帯で。
そんなわけで3列目というゴージャスな席にも関わらず眠気が。
それで目をつぶって聞いてて、時々ぱっと目をあけてみる事数回。
その時に感じた事。
龍真咲って・・・・・ いわゆる「棒」なんだと。
喋り方は春野寿美礼・真琴つばさ・高汐巴風で、歩き方は一路真輝。
セリフを全部一本調子で、「点」と「丸」にだけ気をつけて、時々抑揚をかえて
強弱をつけているだけで、セリフから何も伝わってこない。
表情も最初から最後まで無表情。感情の起伏というものがないのか?
今回の正塚作品、セリフが長くて、否定から入って肯定に回る・・というような
一つのセリフの中で感情がころころ変わるんですよね。
最初はカーラへの気持ちを「愛される資格はない」と言い張っていたのに、積極的な
カーラに「気持ちを受け入れて下さい」といわれると「当然です」と言っちゃうみたいな。
だからそこには「間」がないと、変な話になっちゃう。
よくよく耳でセリフを聞いていると「あんた、つい2秒前まで愛される資格なしで結婚
なんてとてもとてもと言ってたくせに数分後には乳母に「カーラだ」と紹介してるじゃん?」
はあ?何がどうルパンを変えたのか?
そんなのばっかりで。
凪那瑠海もそう。「ことわりの書」を見つけたけど、ぐだぐだルパンを勧誘して、
理屈をがんがんこねまわした挙句に、あっさり本を持って去ってしまう。
どこに心境の変化が?
星条海斗と慬花ゆりのの「間合い」がすごくいいだけに、沙央くらまの抑揚をつけない
普通のしゃべり方だけど、絶望感や投げやり感がじとっと伝わってくるのがいいだけに。
龍のへんてこイントネーションは演技が出来ない自分を隠す為。のっしのっしと体を
横にゆすって歩くのは男役に見せようと必死な為。要するに不自然だといいたいわけ。
自分の欠点を知っていて回りに任せようとせず、「私が一番」と思ってやってるから
鼻につくんだなあと。
これじゃ下級生が浮かばれないのでは?と思いました。
ところで・・・どうしても解せない疑問が。
カーラのお父さんは何で自殺したの?人が一人自殺するって言うのは相当な
理由がないと出来ないものですよ。
それからカーラは実はハリントン卿とかいう人の子供で、結婚を反対されてカーラママは
大公と結婚したとか。でもカーラママはハプスブルク家の出身。
家柄はいいはず。じゃあ、何で反対されたの
ヘアフォールの話だと、カーラママとハリントン卿は再会して深い仲になり、カーラを
産んだ・・・と聞こえるのですが、じゃあ不倫してた?
カーラはそんな話を聞かされたら死にそうな程動揺するのに、呆然としただけでした。
実の父、育ての父、後見人・・・と幾人もの人がカーラを守ろうとしているのはわかりますが
そこまで魅力的な女性には見えなかったけどな。
カーラの衣装、冒頭のシーンと婚約のシーンで変えてあげればよかったのに。
大公の娘にしては質素だわ。
2階席で見てた時、ラブシーンは一切ないように見えたのですが、よくよく見ると
「ほのめかし」シーンは多々あるんですよね
日本人にしか理解できないような「ほのめかし」が。
そこをきっちりおさえていたら、ラストシーンがもっと生きたんじゃないかなあ。
せっかくのハッピーエンドなのに本当にもったいないと思いました。
Funtastic Energy
これまた3列目でしか見えないものが見えた・・・って感じで。
一番の収穫は沙央くらま
まじまじっと見ると、こんなにかっこいい人だったとは・・・目元の化粧がすごく上手。
ちょっと痩せた?憂い顔に時々微笑みがうかぶと、妙に色気が・・・・
なんせ雪組時代の天然キャラしか見た事なかったので。
ショーの群舞でそこまで憂い顔でキザって、それからにこっと笑われると胸キュンです
フィナーレは北翔・美弥・沙央と並ぶのですが、この3人にだけ温かい空気が流れてて
笑顔がとっても好きでした。
北翔海莉の包容力あふれる笑顔、美弥るりかの美しく包み込むような笑顔、そして
沙央くらまの訴えるような笑顔が揃うと、他は何もいらないという気に。
久しぶりに胸がドキドキしましたよ。
若手の顔も間近で見る事ができて。
私は珠希りょうの顔はいつまでも覚えられないのに、鳳月杏の方は覚える事が出来ました。
ちょっと目の前にきてびっくり みたいな。かっこいいぞエメット・・・・
じゃあ、龍はどうなの?という話になるんですけど。
これまた一本調子で歌って銀橋渡って帰るみたいな?
薔薇の花を持って登場するシーンなどは、もう少し妖しさが欲しいし、組長に
薔薇を渡す時はもう少し「なんらか」の顔があってもいいんじゃないの?
せっかく組長が「ありがとう」と感慨深げな顔をして満面の笑みなのにねえ
越乃リュウ組長さま。
長居間、本当にありがとうございました。あなたは宝塚一かっこいい「組長」の座を
不動のものにして下さいました。
大昔から見てて、いつも月組の舞台にはあなたがいた。
トップが変わろうともあなたはそこにいた。だから安心して見る事が出来たのです。
月組の「顔」であったあなた。きっと「魂」でもあったんじゃないかなと思います。
組子やファンがあなたを失った時、どんな風に悲しむか想像できません。
でもきっと喪失感にさいなまれて、暫くは立ち直れないかもしれませんよね。
舞台のどこかに、ひたすらかっこよく立つ「越乃リュウ」を探すでしょうね。
今はただ、退団後のあなたが幸せになる事だけを祈ります。
素敵なお父様役だったあなた。時に権力者だったあなた、力強い仲間だったあなたを
偲びながら「幸多かれ」と祈ります。