今年も色々あった宝塚。
100周年にむけての助走はまあまあだったかなと。
それにしても今年は22回も舞台に通った事になり
舞台好きからみれば大した数ではないけれど、1主婦としてみたら偉いこっちゃ
去年よりは明らかに元気になった私。そして少し働いてそのお金をつぎ込んだ私。
その結果といえるでしょう。
毎年、「来年こそは舞台に通う回数を減らすぞっ」と誓うのですが、あまり減ってない・・・・・ような?
来年も1月から2公演決まってるしなあ
今年の心残りは何と言っても「月雲の皇子」を見る事が出来なかった点。
これを外して色々賞を語るのも変だと思いつつ、ごめんねーー
月雲はスカステ待ちにさせて頂きます。
2013年の宝塚歌劇
宝塚歌劇とは何か。
その答えを、歌劇団の幹部の方々はわからなくなっているのではないかと。
ただただ、日々の集客を増やすために、節操のない再演を繰り返し
脚本を精査することなく、上演回数と箱だけを多くして、馬車馬のようにジェンヌを
使い捨てて行く・・・というような印象です。
小林一三先生は、宝塚を「国民劇」として定義づけました。
親子三代で楽しめる歌劇。レビュウ。
最初はそれほど明確でなかった男役と娘役の違いが、徐々に確立され
「ベルばら時代」にトップスター制度としてピラミッド型になり、大階段・羽根・シャンシャン
などが「宝塚の特徴」として定着しました。
しかし、その根底には「わかりやすく、どこまでもロマンチックで上品な恋愛劇」
という柱がある筈。
90年代に入って、その「恋愛劇」のセオリーが崩れ、演出家の主義主張が脚本の
中に濃厚となってから。宝塚歌劇は静かに壊れ始めたのだと思います。
男役至上主義になって、男女差別がひどくなった。
今年などはついにトップの娘役といえどもわき役に回される程。
ここまでくると、もう宝塚が宝塚でなくなってしまう。
歌舞伎において、立ち役と女形は対等です。
互いがより「らしく」演じる事で、相手を引き立たせていく。
ところが、今の宝塚は男役が女役を演じる事が多いので、高いを引き立たせる
どころか、逆に潰してしまっている。
どんなに頑張っても男役は男役として確立できないし、かっこよくなりきれず。
(当たり前です。自分と同じかそれよりも大柄の相手役にどうしろと・・・・)
娘役は男役を必要としないヒロインになっていく。
これでは両者の間に「恋愛」は成立しないのではないかと。
100年続けば、「男役」「娘役」は一つの「型」として伝統芸能の域に達します。
その重要性を考えて、100周年以降は頑張って欲しいと思います。
私達は舞台に夢を見にいくのですから。
事件簿
児玉明子退団 → 当然とは思うけど、私からみると植田景子も木村信司も
いらない存在ですが。
高塚れな → まさか96期のあの子が・・・と驚き失望。でもAVは出ず。
それもまた可哀想な事で。
東宝・宝塚がここまで一人の生徒を抹殺する必要なあったのかと。
各部門発表
あくまで東京宝塚の上演を基準としてます。
なお、小池修一郎潤色の「ロミオとジュリエット」「オーシャンズ11」は
殿堂入り、また柚希礼音も殿堂入りという事で除外します。
最優秀賞・・・・芝居部門 「モンテ・クリスト伯」 (宙組)
次点 「逆転裁判」 (宙組)
ショー部門 「エトワール・ド・TAKARAZUKA」
次点 「Amour de 99」
日生で「モンテ・クリスト伯」を見た時、この長い物語を要領よくまとめる事が
どんなに難しいかという事を知りました。
まして1時間半にまとめるというのは本当に大変。
そういう意味では、それぞれの役を引き立たせつつ、物語をきっちりとまとめた
功績は大きいでしょう。
「逆転裁判3」は脚本のまとまりがすばらしく、よくある話だけど楽しめた作品です。
ショー部門においては藤井大介一人勝ち状態。
盛り上げ方といい、メドレー形式といい、昔懐かしいレビュウを見ている気分に。
最優秀主演男役賞 壮一帆
「ベルサイユのばら」のフェルゼンに対して。
力技というか、1幕最後の長セリフは印象的でした。
最優秀主演娘役賞 該当なし
娘役が活躍する芝居がなかったんですから当然です。
最優秀助演男役賞 星条海斗
「ルパン」と「メリー・ウイドウ」の演技に対して。間合いがよく目立ちつつ
芝居を引き立ててくれました。
最優秀助演娘役賞 慬花ゆりの
「ルパン」の演技に対して。芸達者なんですよね。このまま頑張って欲しいです。
新人賞 礼真琴
文句なしというか、それなりの場を与えられてきっちり務めたという意味です。
最優秀歌唱賞 美城れん・望海風斗
美城は「ロミオとジュリエット」のばあやの歌唱について。
望海風斗は「オーシャンズ11」「Mr.SWING」の歌唱について。
両者とも、優等生的な歌唱で例えば彩吹真央や安蘭けいなどの歌い方とは一線を画して
います。もう少し特徴が欲しい所ではあります。
最優秀ダンサー賞 鶴美舞夕
「ロミオとジュリエット」の「愛」のダンスに関して。
もうこれは神がかっていたように思います。
特別賞 天寿光希・美城れん
天寿は「ロミオとジュリエット」のマーキューシオ、パリス、「めぐりあいは再び?」の
演技に対して。美城は「ロミオとジュリエット」のばあやの演技に対して。
最優秀脚本家賞 鈴木圭
「逆転裁判3」のまとめに対して。
最優秀演出家賞 石田昌也
「モンテ・クリスト伯」の脚本・演出に対して。
ワースト賞・・・「アンドレア・シェニエ」・・植田景子
題材はいいのに、ここまで破たんさせる才能は特別です。
脚本の書き方を学びなおすか、演出家をやめるべき。
もう新人ではなく、中堅。将来の宝塚を背負うには頼りないし、ひどすぎます。
好みにもよるけど植田景子の作品で納得できるものは1作もない。
何でここまで下手なのか。何でここまで宝塚歌劇を理解しないのか。
いい加減にしろよーーという感じです。
来年はいよいよ100年。
イベントが続きますが、みなさん、疲れないように。